就職 新卒明日へのステップ
経済活動を構成する各主体が一体となって、これまでのワンウェイ(一方通行)型経済から循環型経済へ転換していくことを強調しているのです。
別の言い方をすると、「環境立国」こそ二一世紀の日本が目指さなければならない道であることを法律で名文化したものであり、その点で、公害国会で成立した法律群とは、思想的な背景がまったく異なっているといってよいでしょう。
資源循環型社会づくりを促進させるための一連の法律・制度群のことを、ここでは環境インフラと呼ぶことにしましょう。
それぞれの環境インフラがどのような位置関係にあるのかを示したものです。
この表からも明らかなように、環境基本法の精神を受けて、循環型社会基本法があります。
その下に、資源有効利用促進法と改正廃棄物処理法の二つの法律があり、循環型社会基本法を支える車輪の両軸になっています。
様々な製品の原材料として使われる天然資源は、できるだけリユース(再利用)やリサイクル(再生利用)などにように何度も利用していくことが大切8です。
資源有効利用促進法は、それを促す法律です。
しかしリユースーリサイクルにもやがて限界がきます。
その場合はやむをえず、廃棄物として処理しなければなりませんが、有害廃棄物などは、適正な処理がなされずに不法投棄されれば、新たな公害の原因にもなりかねません。
その廃棄物の適正処理を定めているのが、改正廃棄物処理法です。
この二つの法律の下に、個別物品ごとの四つの法律(食品リサイクル法、建設リサイクル法、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法)と、需要面から環境に配慮した製品を意識的に購入していくことを義稗づけたグリーン購入法があります。
以下それぞれの法律の内容をみてみましょう。
循環型社会基本法(二〇〇一年一月施行)初めての循環型社会の定義リサイクル関連諸法の中心になっているのが循環型社会基本法です。
循環型社会基本法は、循環型社会形成のための原則、各主体の役割、循環型社会基本計画の策定、さらに用語の定義などを規定しており、リサイクル関連諸法の「憲法」のような役割を果たしています。
まず、循環型社会の定義については、天然資源の消費抑制による「環境への負荷ができる限り低減される社会」のことだと定めています。
法律上で循環型社会の定義をはっきりとうだったのは、この法律が初めてです。
環境への負荷が低減される社会を目指すためには、第一に廃棄物をごみとして捨てずに資源として利用することが大切です。
そのため、これまでの廃棄物処理法などで「廃棄物等」といっていたもののうち、有用なものは「廃棄物」とは呼ばず「循環資源」と定義し、そのリユースーリサイクルを積極的に推進することを目的にしています。
処理に優先順位第二に、廃棄物処理にあたって優先順位を明確にしていることも大きな特徴です。
まず製造段階では、できるだけ廃棄物を出さないために発生を抑制(リデュース)し、廃棄物になった場合は、第一に再利用(リユース)を心がける。
それでもうまくいかない場合は、再生利用(リサイクル)する。
それでも駄目な場合は、熱回収する‘―-という段階を踏み、やむをえない場合のみ適正処分(埋め立て処理)を認めるという、循環利用の原則を定めています。
環境対策に熱心な企業の中には、すでにこの順序で廃棄物の有効利用に取り組んでいるところもありますが、今回法律ではっきりそれが示されたことの意義は大きいといえます。
第三の特徴は、事業者(生産者)の責任がきわめて重くなったことです。
リサイクルの実施にあたっては、国・地方自治体、事業者および消費者の役割分担が大切であり、それぞれの責務が規定されています。
たとえば、国・地方自治体は、役割を分担しつつ、循環型社会形成のための諸施策を制定し、実施しなければなりません。
一方、国民は製品を長期間使用し、再生品の利用や廃棄物になった製品の分別・収集に協力することが定められています。
拡大生産者責任の導入この中で特に強調されているのが、事業者(生産者)の責任です。
生産者は、自ら生産する製品については、廃棄物になったあとまで一定の責任を負うという、「拡大生産者責任」の原則が初めて盛り込まれました。
製品の製造過程で発生する公害の防止や製品の安全性の確保については、従来も生産者に責任が課せられてきました。
しかし廃棄物問題がクローズアップされるなかで、生産者に対して製品のライフサイクルの全過程で環境負荷を低減させる責任を負わせるべきであるとする考え方が、九〇年代にOECD(経済協力開発機構)内で強まり、加盟国の多くが法制化に踏み切りました。
これが拡大生産者責任です。
企業が廃棄物になった自社製品を引き取り、再資源化することが義稗づけられれば、企業としても設計段階から環境配慮型の製品をつくらざるをえなくなります。
もちろん、再資源化のコストはユーザーである消費者と企業が負うことになります。
たとえば、家電リサイクル法では、消費者がテレビなどの廃家電を引き取ってもらうためには、回収場所への輸送費や解体・再資源化に伴うコストの一部を負担しなければなりませんが、再資源化の最終責任は企業が負う形になります。
環境コストは、これまで市場経済内部に組み込まれてきませんでした。
しかし、一連のリサイクル法の成立によって、否応なく環境コストを組み込んだ経営をしなければならなくなります。
当面は企業のコストアップ要因になるかもしれませんが、長い目でみれば、大きなビジネスチャンスになるはずです。
省エネ・省資源型の製品や生産システムの開発によって環境コストを軽減できる企業は、さらなる発展が可能になりますが、それができない企業は、市場から撤退せざるをえなくなるでしょう。
第四の特徴は、循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)の策定を定めていることです。
環境基本法に基づいた環境政策を促進するために環境基本計画が策定されているように、循環型社会基本法の精神を生かして資源循環を具体的に進めていくために同法は、中央環境審議会に対し、二〇〇二年四月までに循環型社会基本計画策定のための指針を環境大臣に具申することを定めています。
②改正廃棄物処理法(二〇〇一年四月完全施行)正式名は、廃棄物処理及び清掃に関する法律。
もともと一九五四年に清掃法として制定され、七〇年に廃棄物処理法に改正されました。
この段階では、廃棄物を処分場に運び処理するだけの一方通行型の思想に基づいていましたが、九〇年代に入り、九一年、九七年に大改正が行われ、廃棄物処理法に循環型社会づくりの思想が盛り込まれました。
今回の改正によって、国に対しては、廃棄物の排出抑制と再生利用などによる廃棄物の減量、およびその適正な処理に関する基本方針の作成を、また都道府県に対しては、基本方針に即した廃棄物処理計画の作成を定めています。
一方、排出事業者の責任が強化され、最終処分の段階まで適正に処分されているかどうかを確認することが義稗づけられ、不適正処理が行われた場合は、原状回復義務を定めています。
さらに、大量排出業者に対しては、処理計画の作成を義稗づけています。
また、ダイオキシン類の発生抑制のため、野外焼却も禁止されました。
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